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灰釉装飾軒先瓦
クメール アンコール王朝期 11世紀12世紀
高:14㎝ 幅:12㎝ 長:14㎝

完全な状態で残された資料的にも貴重なクメールの灰釉装飾瓦です。
書籍「KHMER CERAMICS」に近似する瓦が掲載されていますが
現在は、バンコク国立博物館に寄贈しされ収蔵展示されています。

クメールの瓦は、陶磁史ばかりではなく、アンコール建築史の
研究でも重要な研究資料であり、王宮、王族にまつわるものです。

東京国立博物館のクメールコレクションの中核をなすフランス極東
学院交換品にも数点含まれております。


アンコール王朝期のこのような瓦は、王宮などの屋根を装飾し、その
使用は厳格に守られ、一般の家屋には用いることは禁じられていました。

アンコール期のカンボジアを訪れた、中国元朝の使節に随行した
周達観の「真臘風土記」の(三)宮室(住居)には、王族、大臣らの
家屋でも草ぶき屋根で、祖廟と正寝(表御殿)の二カ所のみ、瓦を
用いることが許されていました。

庶民の家は、ただ草屋根を用いるだけで、少しの瓦でも決して屋根に
上げないとされています。