This is The Khmer Art 03

ローケーシュヴァラ(観音菩薩)  Sold

クメール バイヨン様式 12世紀末〜13世紀初頭
材質 青銅 高 22.5cm

観音菩薩は、大乗仏教を信奉し治世したジャヤヴァルマン
7世の時代、バイヨン様式において最も多く造像されます。

なかでも青銅作品での8臂の作例は少なく特別な存在で
あり、観音菩薩の功徳を説く『カーランダヴューハスートラ
(大乗荘厳宝王経)』 に由来していると考えられています。

大乗荘厳宝王経の『観音の一つ一つの毛孔には、無数の
宇宙が存在する』 との記載を造形化したとされる8臂の石
造彫像では、上半身に無数の化仏を刻出した像が知られ
ていますが、この小さな青銅像では上半身の化仏は省略
され、首飾、腕釧、足釧に化仏を鋳出しています。

ジャヤヴァルマン7世をあらわしたものとも言われる、目を
半ば閉じて穏やかに微笑を浮かべる顔つき、裙の形式や
太めの下半身など、バイヨン様式の特徴を示しています。

美しく扇状に開く8臂は、菩薩の慈悲が全ての方向に行き
渡ることをあらわしています。



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