ガネーシャ  Sold

クメール アンコール・ワット様式 12世紀
材質:青銅 高:9 cm (展示台含 高:10 cm)

ヒンドゥー教の神、人間の身体に象の頭の神ガネーシャは、クメールでも
広く親しまれ、大変人気のある神様です。
シヴァ神とその妃パールヴァティー(ウマー)の息子で、スカンダ(韋駄天)
とは兄弟です。

ガネーシャは富と繁栄の神として、障害を除去し成功をもたらす神とされ
起業の神として事業の成功をもたらします。また聖者ヴィヤーサの大叙
事詩「マハ―バーラタ」を口述筆記したところから、知恵神、学問の神と
されています。

大きな象と小さな人間を合わせたガネーシャは大宇宙と小宇宙の融和を
象徴しているとも考えられています。

クメール青銅美術のなかでもガネーシャは、親しまれ多くの神像が鋳造さ
れましたが、クメールの青銅像の台座部分は、その殆どがシンプルな飾り
の無い四角形の台座です、このような円形の蓮華座の台座を持つものは
稀で、円形の蓮華座に坐すガネーシャ像で遺された作例は、公的コレクシ
ョンでは世界でも、唯一カンボジア国立博物館に一作品を数えるだけです。

このガネーシャは、クメール青銅作品の中でも極めて秀逸な作品で、保存
状態を含め、その造形力ともに精緻な彫刻を施した蓮華座に坐す作品として
現存する世界で最も優れた作品です。

The Khmer bronze art Exhibition クメール青銅芸術の世界展 2007年
カタログ所載作品。(フランス極東学院図書館など研究機関の蔵書となっています。)


This is The Khmer Art 35

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