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章飾(ペンダントトップ) kb 170

アンコール・ワット様式 12世紀

材質 青銅・霊木(?)高:8.4cm 幅:9cm(展示台含 高:16.5cm) 

このようなペンダントは、アンコール・ワット遺跡の壁面に浮彫されたアプサラ
(天女・踊り子)が首からペンダントのように下げているのを見ることができます。

クメール特有の指輪のかたちで、このペンダントはアンコール・ワット遺跡の
浮彫だけに見られるもので、護符などの意味合いがあったととの意見もありま
すが、インドネシア、ジャワなどの碑文によると、可愛く才能ある乙女が
「カウイ」の地位に達したとき、すなわち踊りや音楽などの芸術活動で達成
された時に指輪が贈られたとの記述があります。

大きな指輪をペンダントに通して付けることもあり、大きさ、浮彫からも
踊子への功績を表彰するために与えられた栄典の勲章(章飾)であると
思われます。

クメール碑文などによると寺院には多くの踊り子が所属し、神々に踊りを奉
納していたようですが、 この時代のアンコール・ワット寺院では、踊り子達は
この象徴的なペンダントを下げての舞いの物語があったのでしょう、物語は
失われているようですが、遺跡の浮彫に遺され、ロマンあふれる美しい遺品
でアンコールの栄光が偲ばれます。


中央の恐らく霊木などの木又は漆のような植物由来のものではないかと思
われますが判然としません、遺品はいくつか知られていますが殆どが青銅部
分のみの遺品で、この作品のように総てがオリジナルのまま残されたものは
稀で数少なく非常に珍しいものです。

「アンコール・ワット」知の再発見 双書48 創元社 ブリュノ・ダジャス著 石澤良昭監修 

『SACRED ANGKOR』 Vittorio Roveda Photography by jaro poncar River Books Bangkok