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シヴァ  

クメール バプーオン様式 11世紀
材質 青銅 高:14.6cm (展示台含 高:19cm)

アンコール王朝初期の10世紀~11世紀の青銅像については極
めて少数のものしか遺されていません。

しかしながら、この時期の遺された作品の多くは質が高く、優れ
た芸術的価値が高く評価されています。

なかでも、この作品は技術水準、高度な出来栄え、そして良好
な保存状態で、完璧なまでにバプーオン期の古典美の解釈を
見事に表現しています。

クメールでは、インド起源の仏教とヒンドゥー教の二つの宗教が
土着文化や信仰と融合し独自のクメール文化が展開されました。

歴代のアンコールの王たちの多くはヒンドゥー教を信奉し最高神
である、破壊と再生を司るシヴァを信奉していました。

生殖・生産を司るシヴァの神格を象徴するものとしてリンガ(男根)
を多くの寺院の本尊としてまつり、9世紀頃からは一般的に、二臂
三眼の立像を神像の姿として表現し信奉していました。

冠帯に円錐形のムクタをつけ、額には、シヴァの特徴である第三
の目を刻み、頭髪とあごひげはつながり、顔の周囲を覆って
そこには細かな毛筋まで刻まれています。

精緻な胸飾り、手のしぐさ、美しいカーブを描き一切の乱れを見せ
ない腰衣は、秀逸な石像を思わせます。

背部の突き出した蝶を思わせる結び目と、バプーオン様式の特徴
でもある僅かに踏み出した足の表現と、ほっそりとしてすらりとのび
た、そのしなやかな体つきはクメール芸術のなかで最も優雅で美し
いバプーオンの特徴を顕著に表しています。

バプーオン様式の青銅作品として最も優れた作品の一つで、何処
の美術館に展示されても、またクメール美術の優れた作品を集めた
書籍に掲載されても高く評価される秀逸な作品です。

※特注の展示用アクリルケースが付帯いたします。 サイズ:30×30×30㎝