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菩薩手(釈迦・観音菩薩)
ガンダーラ(パキスタン) 2~3世紀
材質 灰色片岩 高:27cm(展示台含 高:37.5cm)

手首に腕釧(二つのブレスレット)装身具が見られ、菩薩の手である
ことが確認できます。
ほぼ等身大の右手で、施無畏印を結ぶ、釈迦菩薩又は観音菩薩立像
から遺されたものと思われます。

指の間の水かきは、縵網相(まんもうそう)とされ、慈悲の心を表し
水1滴も漏らさないように、人々をすくい上げ救うことを表現している
と言われています。

薬指と小指は欠損して、遺された親指、人差し指・中指と手のひら
から手首の三つの部分を繋ぎ補修してあります。

ガンダーラでも等身大以上の優れた菩薩立像からの残欠で、遺され
た仏手は、言葉では言い表せない程の美しさのなかに菩薩の慈悲が
感じられ、理屈をこえて神(仏・菩薩)の存在を感じさせます。

施無畏を具現した、見るものを癒し心の平静をも感じさせてくれる
菩提心の象徴、アイコンであり、これだけの大きさのものは数少なく
まさにシルクロードに花開いた仏教美術の精華であります。

参考図版は、フランス国立ギメ美術館の菩薩立像で、フーシェが1895年
~97年の発掘調査でシャーバーズ・ガリーで入手し、1900年からルーブル
美術館に展示されたきわめて優れた菩薩立像です。

この作品は、参考図版で見られるギメ美術館の菩薩立像の施無畏印を結ぶ
右手と比べ更に大きく、指先も残るクオリティーの高い貴重な作品です。

図録記載:菩薩立像 パキスタン ガンダーラ シャーバーズ・ガリー 
クシャーナ時代 1-3世紀  片岩 高:120 cm

◎施無畏:菩薩が衆生の恐れの心を取り去り救うこと。
◎フーシェ:アルフレッド・フーシェ(1865-1952) フランスの考古学者
 ガンダーラの仏教美術へのギリシャの影響についての見解で知られる。

※ 作品画像をクリックしていただくと拡大画像がご覧いただけます。

参考図版 シルクロードに花開いた仏教美術の精華・パリ・ギメ美術館展 出光美術館 1996年