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金ニエロ花文椀  Sold
タイ バンコク王朝期 19世紀
材質:金・銀・ニエロ 高:4.5㎝ 口径:9.1㎝ (桐箱付)


ニエロは、タイでは15世紀アユタヤ王朝早期に始まり、タイ歴代王室
の所用によるさまざまな調度、飲食器、装身具、祭祀用具として、
華麗で洗練された宮廷文化を伝える貴重な遺宝であります。

ニエロとは、銅、銀、錫などに媒材の硫黄を加えた黒色合金のことで
黒金とも呼ばれ、タイでは南部ナコーンシータマラートで制作され、古
くは古代エジプト文明にさかのぼるとされ、中世にヨーロッパを中心に
広まり
ました。

この作品は、王族の飲食器又は祭祀用具として使われたと思われる
小椀で
タイの伝統的文様の花文で、銀の器体に繊細な文様を彫り
金象嵌して、ニエロを定着させています。

小椀ながら繊細な文様が丁寧にあしらわれた優雅なニエロ細工の最
高作の一つです。


この時代のタイのニエロは、王族など特殊な階級の所用品に限られ
ていました、バンコク国立博物館に収蔵され現在、東京国立博物館
特別展「タイ展」(2017年 7月4日(火)~8月27日(日))では
素晴らしいニエロ花文把手付水柱、ニエロ装拵刀などが展示紹介さ
れています。