This is The Khmer Art 28

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男神像頭部

クメール バンテアイ・スレイ様式 10世紀
材質:砂岩 高:21㎝ (展示台含 高:31㎝)


バンテアイ・スレイ寺院は、王の側近ヤジューニャヴァーラハによっ
て967年に建立され、美しい薔薇色砂岩で築かれた寺院は、美しく
精緻な装飾でクメールの建築の白眉とされています。

壁面には「東洋のモナリザ」とも称される美しい女神が浮き彫りされ
ていることでも有名な寺院です。

この時代の気品と優雅さを伴う美しい彫刻群は、寺院名からバンテ
アイ・スレイ様式と呼ばれています。

バンテアイ・スレイ様式の彫像は10世紀後半のわずかな期間で、
遺された作品の数は少なく、クメール彫刻で特徴的なこの様式は
11世紀バプーオン様式にと継承されています。

クメール彫像は神仏との一体化を願い、死後に彫像において神仏と
融合する古代カンボジアの信仰において、王か王族又は高位の人物
の生きた人間の、つまるところ「肖像」であり宗教的伝統様式を踏襲
した上で、そこには王族など特定の人物の面影をしのばしています。

クメールの工匠が王族としての威厳と格調を、生きた人間をモデルと
して瑞々しく表現したのであろう、ほぼ等身大の男神像であったであ
ろうこの端正な頭部は、側面より大きく欠損するものの、作品からは
美を損なうものをなんら感じさせません。

丁寧に編み込まれた髪に、縁どりされた眼には大きな瞳を線刻で表
現し、上髭(口髭)、顎髭が線刻され、たっぷりとした唇などその面影
から彫像に気品と優雅さを特徴とするバンテアイ・スレイの彫像の傑
出した作品です。