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菩薩頭部  Sold
アフガニスタン(ガンダーラ) ハッダ 3世紀~4世紀
材質:ストゥッコ 高:16cm
  (展示台含 高:30.5cm) 桐箱

ハッダは現在のアフガニスタン東部で、ギリシャのヘレニズム美術からの影響が
顕著にみられる数多くのストゥッコや粘土像が見つかった仏教遺跡として名高く、
ガンダーラ美術のハッダ芸術(ストゥッコ等)はフランス国立ギメ美術館などに収蔵
されハッダ出土の傑作名品の数々で知られています。

ハッダは歴史的にも中国の僧、法顕(西暦399年)、玄奘(西暦632)が残した著書
に言及されており、1922年にはアフガニスタン王国とフランス共和国との間で協定
が結ばれ1928年には大規模な発掘調査が行われました。

ガンダーラのなかでもハッダのストゥッコ像は、柔軟な素材を巧みに生かして、
仏陀や菩薩、供養者などを表情豊かに表現し数々の優れた作品を残しています。

ウエーブさせた豊かな髪の頭上に髪飾りをつけたこの菩薩頭部は、朱の彩色の跡が
残る眉から一続きに鼻梁に続き、仏教の理想である静けさ、威厳と気品ある尊顔を
生み出しています。

ガンダーラ塑像彫刻の基礎を型でつくるため個性的な表現力に欠ける欠点を一寸
たりとも見せない傑出した作品で、ガンダーラ塑像美術ハッダの名品です。