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蓮華化生(ラクシュミー)

クメール アンコール・ワット様式 12世紀
材質:砂岩 高:13.5cm(展示台含 高:17.5cm)

蓮華に化生する、美と豊穣を司るラクシュミーを表現した作品です。

蓮華は、ヒンドゥー教ではヴィシュヌ神と、その妃ラクシュミー(吉祥天)
の象徴とされています。

古代インドの聖典である「リグ・ヴェーダ」では、ラクシュミー
に付いて
「蓮より生まれし者」「蓮華に立てし者」とする賛歌が認められています。

また、蓮華には「誕生」や「生成」にかかわる象徴的意義が賦与され仏教
においても、蓮華は泥沼から生じ濁りに染まらず、清く美しく咲くことから
仏教思想の象徴とされています。

クメール美術では、持物で尊格を表現し、ラクシュミーでは両手に蓮の蕾
を持たせています。

大乗仏教において、蓮華化生は、浄土(極楽)の蓮華の中に化生(過去の
業の力で化成し生まれる)する事とされています。

この作品では、蓮華に化生する、坐して蓮華の蕾をもつラクシュミーを
中心に配しています。

下部が大きく欠損していますが、硬質で上質な砂岩に彫刻された、数少
ない意匠の美しい作品です。