This is The Khmer Tantoric Buddbist Art 01 Vajrsattva

ヴァジュラサットヴァ(金剛薩埵坐像)

クメール バプーオン様式 11世紀
材質:青銅 高:13,1cm  (展示台含 17cm)


菩提心(悟りを求める心)を体現する尊格、金剛薩埵は密教における
最高位の菩薩であり、後期密教において全ての仏の根源的存在である
「本初仏」の一尊として崇拝されています。

天冠や耳飾、首飾、腕輪など菩薩の装身具をすべて身に着け、右手は
胸前で金剛杵を持ち、左手は金剛鈴を握って腰脇に置いています。


クメールではアンコール王朝期の10世紀頃より、ヒンドゥー教と結合した
後期密教の流入により金剛薩埵は信奉され造像されました。

この作品は、バプーオン期の優れた芸術家の手による厳しく優れた作品
で、額には浅い線刻で第3眼を表し、蓮台に結跏趺坐の形で坐しています。

クメール青銅作品のなかで、優れた名品などで知られるバプーオン期の
作品は書籍などで紹介されていますが、遺された作品数は極めて少なく
市場での流通も僅かでコレクションに加えることが困難なものの一つです。

そのなかにあってこの金剛薩埵像は光背を欠損するも、クメールにおいて
数少ない精緻を極めた蓮台に坐し、しなやかで繊細な体躯、力強くも優雅
なバプーオン様式の特徴を顕著に表現した、アンコール王朝期における
タントラ仏教(後期密教)を具現化する特別優秀な作品です。