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ヴィシュヌ
インド 中インド(マディヤプラデーシュ) 10世紀~11世紀
材質:砂岩 高:50cm 横:31cm(展示台含 高:57.5cm 横:37.5cm) 


ヒンドゥー教の神々の世界で、ヴィシュヌはシヴァと並び、人々に最も人気のある
神で最高主宰神としての地位を占めています、太陽の機能を神格化した神と言われ
宇宙の維持を司り、温和で親愛の性質をもち、ヒマラヤの峰々の一角にある
神話上の天国に、幸運と美を司る神妃ラクシュミーとともにすむといわれています。


この世で悪徳が栄えるたびに、魚、亀、野猪、人獅子、矮人、パラシュラーマ、
ラーマ、クリシュナ、仏陀、カルキの十の化身(アヴァターラ)となり魔人を退治
し世界を救うと伝えられています。

この作品では、ヴィシュヌは四臂で、蓮の上で、前方の左右二手には法螺貝、宝珠
(又は蓮の蕾)を持ち後方の二手は、棍棒と円盤持っています。


ヴィシュヌの周囲には、十化身を表現しており、上部の欠損により失われ不明瞭な
部分もありますが、魚、野猪、顔が欠損した人獅子
ラーマ(又はプラシュラーマ)
クリシュナ、馬上のカルキ、反対側には降魔印を結ぶ仏陀などが確認できます。

その他、上部左右にレオグリフ(又は、シャールドゥーラ)とも呼ばれる寺院や祠堂
に見られる怪獣を表現し、足元では蓮に座して合掌礼拝する崇拝者が見られます。

ヴィシュヌの左右には、他の類例から恐らく円盤など持物などを擬人化した男女
と思われる像が見られます


インド彫刻の特徴的な細密で立体的な表現の見ごたえのある、素晴らしい作品です。