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宝冠仏陀胸像
タイ アユタヤ王朝期 16世紀
材質:青銅  高:20cm (展示台含:27.5cm)


このアユタヤの宝冠仏陀胸像は16世紀のアユタヤ後期美術初期に属する
作品で宝冠にカンチアクと呼ばれる耳の上の突起を付け、宝冠と耳飾りだ
けをつけ全身には、胸飾りなど僅かしか装身具はつけない仏像様式です。

弓を張ったような眉に切れ長の半眼で、半眼の眼の深い窪みは、貝や石が
象嵌されたていました。仏の身体的特徴の三十二相のである首の悟りに至
るまでの過程をあらわす三道(見・修・無学)まで良く残され、唇に微笑み
を浮かべた端正な尊顔でアユタヤの理想を表現しています。

胸飾りの文様も精緻で美しく、破損し胸像となりましたがアユタヤ宝冠仏陀
立像の、静寂の中にも力強さを感じさせる極めて美しく優れた作品です。


アユタヤ王朝は、現在のタイ中部のアユタヤを中心に栄えたタイ族による
王朝で1351年にウートン王によって建都され417年に渡り栄え1767年ビル
マ軍の攻撃よって陥落します。世界遺産に登録されており、王朝の残した
優雅な美術をアユタヤ美術と呼びます。