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薬研 (プサニ) 

クメール  10世紀〜13世紀
材質 砂岩   高
12cm 幅:41cm 奥行き:21cm

薬研は、薬効を持つ薬種(草・根・木あるいは動・鉱物質)
を細粉にひくのに用いる器具です。

アンコール王朝期の仏教王ジャヤヴァルマン七世は王国全土
に施療院を隈なく設置し、民の病気を治療し、薬研を使用し
薬の原料をすりつぶし配布、治療していました。

施療院の建設は王の義務と記し、碑文にて「民の苦しみこそ
が王の苦しみ、王自身の苦しみはものの数にはいらない」と
記されています。

この様な薬研から多くの薬が作られ、多くの人々を病から救っ
ていたのでしょう薬研は役目を終え、悠久の時を経て静けさと
凛とした佇まいは、どこか神々しささえを感じさせられます。

東京国立博物館のフランス極東学院との交換品と同形のもので
参考図版の画像のように棒を往復させることによって薬材を
し砕いて細粉にします。

東京国立博物館の目録では、時代の狭い範囲の確定は困難で
年代不詳としておりますが、クメール交換品にも含まれ石質等
からも、おそらくアンコール王朝時代と考えられます。


フランス極東学院交換品とは

東京国立博物館(当時は東京帝室博物館)は、昭和19年(1944)
当時ヴェトナムのハノイに本部を置いていたフランス極東学院
と美術品の交換を行った。

日本からは、日本の美術・工芸品31件を贈り、極東学院からは
クメールの彫刻・金工・陶器69件が贈られた。

これらはクメール美術を語る上での資料価値はもちろん美術的
にも大変優れたものである。(目録より抜粋)

参考図版:アンコールの美術・フランス極東学院交換品目録 東京国立博物館 1988年