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ビルマ経典(カマワーザー)
ビルマ マンダレー様式 19世紀
材質 貝多羅葉・木・漆・金箔・布 全18葉(表紙、裏表紙2葉、貝葉16葉) ・布・リボン 
サイズ 53.3cm×12.3cm
(貝葉 51cm×11.3cm)

貝多羅葉(棕櫚の葉に似た、多羅の葉を干して切りそろえたもの)に漆塗りをし金箔を押した上
に濃い茶褐色の黒漆で経文を手書きした、豪華な体裁を持つ神聖なビルマ経典です。

経文は三蔵(tri-pitaka)、いわゆる一切経で仏教の経典を、経(釈迦の説いた教え)、律(規則・
道徳・生活様相などをまとめたもの )、論(経、律の注釈、解釈 )の3種に経典を分類した中か
らの抜粋です。この経典は戒律(
出家信者の生活規律や、在家信者が信仰生活において守るべき生活規律
や懺悔などを行う際の作法規則を意味するカンマヴァーチャー(kammavaacaa)をビルマではビル
マ語で発音した「カマワーザー」「カマワーサー」という名称で呼ばれます。


カマワーザーは、木製に漆塗りし、金箔で文様を装飾した表紙、裏表紙の2葉と貝葉16葉で構
成され、金箔押しで貝多羅葉以外に金属板に漆で仕上げたものや、象牙の板で作られたもの
もあります。経典は植物文や鳥、天人などで美しく装飾され、カマワーザーは上下表紙を含む
18葉で構成されて経典を巻くリボン(
sa-si-gyo)で巻かれ保管されます

この作品は、2004年古代オリエント博物館「空想動物・神々の世界展」に出品されました。(図録34ページ所載)