ヤクシャ(ガラガラ)
インド シュンガ朝 紀元前2世紀~紀元後1世紀
材質:テラコッタ 高:12cm
インド全国に仏教を広めたマウリヤ朝の後を受けたシュンガ朝(前184-72)
の時代、インド本来の土壌の中で育ってきた民間信仰の神々であるヤクシャ
(豊穣を司る大地の精霊)のガラガラです。
楽器としてのガラガラは、古代においては呪術的なものでもあり、また子供を
あやす玩具としても、紀元前600年頃のギリシャの出土した土製(テラコッタ)
の子豚の形のガラガラが玩具として使用されたと考えられています。
この作品は、シュンガ朝の奉納版に見られる、精緻で豪華な耳飾りや装飾品
を付け、太鼓腹を露わにした力量感あふれる姿のヤクシャを表現しています。
左足元が僅かに欠損していますが、2000年の遥かなる時を刻みながらも状態
は良好で振るとカラカラ、ガラガラと音をたててくれます。
シュンガ朝のガラガラは現存する作品は極めて数少なく、稀で貴重な作品です。