触地印仏陀坐像
ビルマ(ミャンマー) シャン様式 17世紀
材質:青銅 高:20.5㎝
ミャンマー東北部のタイ系の人々で、パガン王朝の滅亡後勢力
を拡大したシャン族の仏像です。
肉髪の頭頂は、宝珠形(蓮の蕾)として、丸顔に弓形の眉に目は
やや伏し目として、口角を僅かに上げて微笑んでいます。
偏袒右肩につけた衣は薄く、左肩から下がるサンカティーは長く
腹まで下がっています。
右手は触地印(降魔印)を結び、腹前で掌を上にして、ミロバラン
の実を持っています。
ミロバラン(カリロク)の果実は、強壮、風邪や便通などの薬とされ
ています、ビルマの仏像では、このミロバランの実を持った仏像が
散見されます。
東南アジアで半跏趺坐が多いなか、インドのパーラ朝美術を受け
入れたビルマ美術では、この仏像同様に結跏趺坐を基本としてい
ます。
所々に鍍金を残し、ストゥーパ(仏塔)内部に遺されたと伝承され
る仏像で、特徴的な錆と内側の底にはストゥーパ内に奉納し固定
するための漆喰(ストゥッコ)が一部残されています。