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輿の吊り鉤(キンナリー)
クメール アンコール王朝期 12世紀~13世紀初
材質:青銅 高:19cm(展示台含:26.5cm)
アンコール王朝時代、王族や高貴な婦人などの乗る輿の担ぎ棒に
取り付けられた吊り鉤で、この鉤に吊り輪を取り付け、大きな布
を折りたたんで縄で繋ぎ、袋状にして人が乗る部分としていました。
アンコールの遺跡の浮彫でも確認でき(画像参照)、また周達観
「真臘風土記」では、アンコール王朝期の車やかご(輿)に付いて
詳細に記録されています。
上部は蓮華の蕾を頂点とする花弁や植物文で飾り、鉤部分では
両手で支える、若々しくしなやかな身体の人面鳥身のキンナリー
(女)を両面に配した意匠で鉤の先端では合掌する女神を表現
した秀逸で貴重な作品です。
来歴
2005年 世界遺産プラザ・神々に出会う旅「アンコール王朝展」
主催:クラブツーリズム 後援:在日本国カンボジア王国大使館
出品展示、展示ガイド所載(資料添付)
所載
監修:独立行政法人国立博物館・独立行政法人文化財研究所
日本の美術6 No.481 人面をもつ鳥、迦陵頻伽の世界 2006年
勝木言一郎 著